以前の職場で、度々心霊現象に遭遇しているという知人が語ってくれた話です。普段も面白い人で、その内容も全然怖くなく、むしろ爆笑してしまったのですが、お盆にちょっと相応しいかなと思いご紹介。
週末は、宇都宮から埼玉の所沢の実家まで帰っていた知人なのですが、その日は明け方まで仕事で、そのまま夜が明ける前に所沢まで帰ることにした知人。
平日の疲労がたまり、高速道路場でつい、ウトウトとしてしまいます。気が付くと、ラインを踏んで走行しているのに気が付き、慌てて車線を戻しと、繰り返していたのですが、路肩に休憩するのも危険だし、次のサービスエリアまでなんとか頑張ろうと運転していました。
しかし睡魔は猛烈に襲いかかり、自分でもかなりこれはヤバイと思った時です。
陽が昇り始めた高速道路に、亡くなった祖父の姿が現れたそうなのです。
それが、遠くの山々の向こうから上半身だけが上るように現れ、それはもう巨大な姿だったそうで。
思わず「うぉぉぉぉ!!!!なになに、なに!おじいちゃん!!!なんで!」と絶叫し、眠気が完全に吹っ飛んだそうで。
おじいちゃんはニコニコと笑顔で再び山の向こうに沈んでいったそうです・・・。
「怖いというより、なんでおじいちゃんが巨大な姿で出てきたのか、もう、それだけが驚いて眠気なんて吹っ飛んだ」と語っていたのですが、この話には、さらに続きが。
翌週のこと、また平日の疲れが残ったまま、今度は東京へと行く用事があった知人。再び、夜明け前に宇都宮を立ち東北自動車道から首都高へと走っていたのですが、再び強烈な睡魔に襲われます(懲りませんね^^;)。
もう少しで首都高の出口だとなんとか眠気を振り払って運転していたのですが、出口から信号先まで、一瞬気が落ちたそうなのです。本来ならブレーキを踏みつ
つ減速して信号で止まらなければいけないのですが、赤信号の交差点へ高速道路を飛ばしていた速度のまま、突っ込んでいきました。
その時です。ふと気が付くと、赤信号の横断歩道を、腰を曲げたおばあちゃんが同じ姿で何人も横断していました。その姿は、数年前に亡くなったおばあちゃんそのもの。
しかし、その大きさは子供の半分もなく、小人のようなサイズで、カルガモの横断している姿のように列を組んで横断していたのです。
知人は思わず「うぉぉぉぉ!!!!なになに、なに!おばあちゃん!!!なんで!」と前回とまったく同じセリフで絶叫し、思わず急ブレーキを踏み続けたとのこと。
凄まじい音と共に車は赤信号のギリギリ手前で急停車し、難を逃れたのですが、その瞬間におばあちゃんの姿は消えてしまいました。
「いやあ、自分を助けてくれたとは思うんだけど、なんでちっちゃい姿で、しかもカルガモの親子の列のように横断していたのか、分かんないんだよね〜」
これが普段であれば、孫の危険を察して、助けに現れてくれたという美談怪談のようになるのですが、彼の話しっぷりが面白くて、みんなで爆笑してしまいました^^;
というか、一歩間違えば大事故になる話なんだから、もう少し安全運転してくださいよと願わずにはおられませんでした。
巨大なおじいちゃんと小さなおばあちゃん。どっちも生前は知人のように茶目っ気のあったお二人であったような気がしてなりません(;^ω^)
ちなみに今回の件で、「三度目はないな」と思い、以来、安全運転に徹しています。それが祖母への感謝と供養だと本人も心得ているようです。