今の時期は、お盆ですね。全国的には8月15日が多いのですが、東京や横浜、金沢などでは7月15日に行われることもあります。
地獄の釜が開き、祖先の霊がこの時期だけは家に戻ってくるということで、13日に迎え火を行います。15日、もしくは16日の野火を送り火を行い、先祖の霊が還るのを見送るます。京都の五山送り火や灯籠流しなどが有名ですね。
一般的には、仏教の行事と思われていますが、仏教の教義だけでは説明できない部分も多く、神道の先祖供養の儀式や神事なども入っていると思われます。
さて、その地獄ですが、仏教においては天国と地獄は対ではありません。この点、キリスト教の「天国と地獄」とは違います。
仏教の基本は「六道」です。
六道とは、地獄、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天人道の6つ。この世界「苦界」と言われ、苦しみの世界と言われ、人間の魂はこの6つを輪廻転生していきます。
地獄とは、六道中、最も過酷な場所で、通常の地獄のイメージはこの世界です。餓鬼、畜生、修羅は地獄ではないそうで。また地獄は更に「八大地獄」と「八寒地獄」と分かれ、それぞれに16の小地獄が存在し、全部で272の地獄があるそうで。(『正法念処経』による)
こうしてみると、地獄から先祖の霊が戻ってくるというと聞こえが悪いのですが、元々は死後の世界(黄泉の国)という意味であったそうですし、苦界を行き来しているのが人間の魂ということなのです。
では、キリスト教で言うところの「天国」とはどこになるのか。仏教の場合ならあえて言うなら、「楽土、浄土」、解脱した世界を指します。六道輪廻の世界から「解脱」した世界が天国に相当する訳です。
日本古来の神道や民間信仰に加え、中国から入ってきた儒教、道教と混ざりに混ざって日本独自の霊界世界ができあがっている訳ですね。
日本では終戦記念日が8月15日と重なり、戦没者への慰霊と合わせて色々と考えさせられる日です。
では、次はキリスト教の霊界観を。→続く
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