前回に引き続き、日本の三大怨霊をご紹介。今回は、平将門です。



 ちなみに平将門とは、平安時代中期の関東の豪族で、平氏の姓を授けられた高望王の三男平良将の子。下総国、常陸国に広がった平氏一族の抗争から、やがては関東諸国を巻き込む争いへと進み、京都の朝廷 朱雀天皇に対抗して「新皇」を自称し、朝敵となりました。しかし藤原秀郷、平貞盛らにより討伐された人で”武士”というものをつくった最初の人と言われています。

東京大手町・将門の首塚にまつわる話。

 東京の中心部、大手町に平将門の首塚があります。


より大きな地図で 将門の首塚 を表示

 朝廷に逆らい敗れた将門の首が京都から飛んできてその首を埋葬した場所が「首塚」になったと言われています。その下に首があるのかは信憑性に欠けるのですが、実際には首塚では平将門の祟りと思えるような出来事が数多く起きています。
 では、実際に起きた奇怪な出来事をご紹介。

大蔵大臣を始めとした幹部14人の相次ぐ死。

 1923年(大正12年)。関東大震災で大手町一帯は瓦礫の山になりました。そこで国は仮の庁舎を建てつことになり、首塚を取り壊し土地を整理しました。
 ところがそれ以来、大蔵省で役人に病人が続出し、早速整爾(はやみせいじ ※右人物)大蔵大臣はじめ幹部14人が相次いで亡くなりました。
 それからわずか2年の間に繕局工務部長・矢橋工学博士以下14名が亡くなり、武田政務次官・荒川事務官以下数えあげるのもわずらわしいほど非常に多くの怪我人が出たといいます。
 そして、ついに1928年に仮庁舎を取り壊し、将門塚を復元し慰霊祭を行ないます。

将門死後千年の年に首塚に落雷

 1940年には落雷があり、雷による火災で大蔵省の庁舎が全焼します。雷が落ちるなんて菅原道真公の祟りを彷彿とさせますね。この年はちょうど将門の死後1000年にあたる年でした。
 これも落雷の場所が首塚のそばであったことから、「将門の祟り」とされ鎮魂祭が行われます。現在、首塚にある慰霊碑は、このときに建てられたものです。



◆戦後にも起きた祟り

 さらに、太平洋戦争直後、1945年。日本は敗戦し、GHQが進駐してきます。ここで再び平将門の首塚を取り壊す計画が持ち上がります。アメリカ軍がその場所を整備して駐車場にしようとしたのです。しかし、このときも工事中にブルドーザーが横転し、運転手の男性が死亡。その後、アメリカ軍も平将門の祟りの話を聞かされ、首塚の取り壊しを中止することになりました。

 現在でも、隣接するビルは、平将門の首塚を見下ろすようなことのないように、窓は設けていないなどの配慮がされているようです。

 爆笑問題の太田光はブレイク前、この首塚にドロップキックをしたことがあり、その後しばらくは仕事が全く舞い込んでこなかったという話も。馬鹿ですね。ホント馬鹿だこの人。                                           
将門の結界と徳川幕府の関係

 江戸時代に、平将門にまつわる7つの神社が建てられました。

★鳥越神社・・・将門の首がこの地を飛び越えたという伝説。
★兜神社・・・・俵藤太が将門の兜を埋めたという伝説。
★首塚・・・・・将門の首塚。
★神田明神・・・将門の首が祀られている。
★筑土八幡神社・この神社の隣の津久戸明神が将門の首を祀る。
★水稲荷神社・・将門調伏のための神社
★鎧神社・・・・将門の鎧(胴衣)を祀っている
★鬼王神社・・・幼い将門を祀る

この7つの神社を結ぶと北斗七星の形になるのです。これは、平将門が北斗七星を信仰していたことから徳川家康があえてやったと伝えられています。
 つまりは、江戸の町の発展や幕府の安泰を祈願して張られたものが「平将門の結界」なんですね。



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こんな番組もあります。山手線との関係も。
 

  平将門には、悲劇性と千年もの歴史もあってか、色々な都市伝説があります。
 戦に破れ京都で晒しものになった将門の首ですが、何ヶ月たっても腐らず、生きているかのように目を見開き、夜な夜な「斬られた私の五体はどこにあるのか。ここに来い。首をつないでもう一戦しよう」と叫び続き、ついにさらし首は関東を目指して空高く飛び去ったとも伝えられています。この将門の首に関連した首塚伝承が各地に残されています。
 
 その中でも最も著名なのが、今回の東京都千代田区大手町にある首塚ですが、ここはかつては盛土と、内部に石室ないし石廓とみられるものがあったので、古墳であったのではないかと言われています。平将門以外にも何かありそうですね・・・・。

さて、次はいよいよ日本最凶の怨霊と呼ばれている崇徳天皇について・・・・・。


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