お盆ですね。全国的には8月13日〜17日間が一般的ですが、地方によって時期は異なります。伝統的には旧暦の7月15にあたる中元節の日に行われていましたが、農作業の忙しい時期を避けるためや、東京と地方で盆の時期をずらすことで、縁者が集まりやすくしたとということもあります。
明治以降、新暦(太陽暦)が導入され定着したことで、 8月のお盆が生まれ、現在では3つの時期に分かれていきました。
1.7月13日~15日 旧暦の月日がそのまま新暦に残ったもの。
2.8月20日前後(旧盆) 旧暦7月15日が新暦でいう8月20日前後のため。
3.8月13日~16日(月遅れの盆)当時は、日本国民の8割が農業に従事しており、新暦7月15日は農作業の忙しい時期に重なりました。そこで、お盆を1ヶ月遅らせて「月遅れのお盆」として お盆の行事をゆっくりできるようにしました。全国的にはこの時期が一般的となりました。
さて、お盆につきものの盆踊りですが、この由来については、地獄での受苦を免れた亡者たちが、喜んで踊る姿を模したものと言われています。
昔の旧暦では月の満ち欠けで暦を作っていましたので、旧暦の7月15日は十五夜、翌日の16日には十六夜(いざよい)でしたので、月は満月。晴れていれば月明かりで夜通し踊ることができました。
お盆の起源はお釈迦様の弟子である目連のお母さんが餓鬼道に堕ちているのをみて、母親を救う方法をお釈迦様に尋ね、その神通力と供養の力により救われたことにより、踊り狂うばかりに喜んだ目連の姿から盆踊りが始まったとされています。いわば、先祖の成仏を願う子孫の愛の思いが盆の起源なのです。
また、平安時代に活躍した僧侶、空也上人は念仏を庶民に広めるため、手軽に念仏を唱えられる念仏踊りを生み出しました。これが念仏踊りとなり、先祖を供養する盂蘭盆会と結びついて「盆踊り」となったと言われています。
盆踊りは,盆に招いた祖霊を迎え、再びあの世へ送るための念仏踊りであるといわれています。盆踊りの空間はあの世とこの世の境界であり、踊りの所作には霊と自分自身の親しみを表す所作が必ず含まれているそうです。
ほのかな月明かりやかがり火を頼りに踊る中で、踊り手は別の踊り手に,あの世に行った人達の姿を重ね合わせることになり、あたかも精霊と一緒に踊っているような錯覚に陥ります。
覆面をつける盆踊りは、亡者と生者の区別をつかなくするための配慮とも。
そう、盆踊りで踊っている中には、受苦を免れた亡者たちの姿も混じっているかもしれず、覆面をつけることによって、誰だかわからないようにして、見てみぬふりをするという子孫たちの配慮なのかもしれません。
盆踊りの場所はあの世とこの世が入り混じった境界。今年の盆踊りには、そういう意味も込めて参加してみると面白いかもしれません。
もしかすると、一緒に踊っている隣の人が亡者であるかも。いえ、祭りを楽しんでいる人たちのほとんどが亡者である可能性もあるかもしれませんよ・・・・。
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