もう一人の自分の姿を見てしまう・・こんな奇怪な現象に遭遇してしまったらどうしますか。この現象をドッペルゲンガー(Doppelgänger)というそうで、もしも、もう一人の自分の姿をみてしまったら間もなくその人は死ぬと言われている恐い話なのです。
今回は、そのドッペルゲンガーに遭遇した有名人と、なぜそのような現象が起こるのかを科学的・医学的に解明しようとしている話を紹介します。
もう一人の自分が、そこにいる!ドッペルゲンガーとは。
ドイツ語で、本来の意味は”生霊”を指すそうで、実際の人間の生き写しが現れる超常現象のことを言うそうです。
その現れ方は様々で、自分の姿を第三者が違うところで見る。自分が異なった自分自身を見るなどがありますが、ほぼ共通していることは、ドッペルゲンガーの人物は周囲の人間とは会話をしない。本人に関係のある場所に出現するなどが言われています。
そして、これらの不気味な幻影は、不吉な前触れの知らせであることが多く、歴史上の人物たちでも意外に多くの人たちが自分自身のドッペルゲンガーを見たと主張しているのです。
リンカーン大統領
日本で有名なドッペルゲンガーの事例は、作家、芥川龍之介(1892〜1927)だと思います。
彼自身、雑誌の対談などでドッペルゲンガーの体験を何度も語っています。
ある座談会では、「私のドッペルゲンガーは一度は帝劇に、一度は銀座に現れました」と答え、錯覚か人違いではないかとの問いに対しては、「そういってしまえば一番解決がつき易いですがね、なかなかそう言い切れない事があるのです」と語ったそうです。
彼は35歳の時、服毒自殺を遂げました。
彼の机の上には、未完で未発表の小説が残されていましたがその内容は、まるでドッペルゲンガーに悩む自分を題材にしたような小説だったそうです。
ドッペルゲンガーは脳の病?医学的に解明できる可能性も。
一方でドッペルゲンガーを医学的に解明しようという試みもあります。
これは心理学・精神医学では「オートスコピー」(Autoscopy)と呼ばれ、昔から研究の対象になっています。
今までの例から見てもドッペルゲンガーを見た人たちは、大きな悩み、ストレスを抱えていた時期に見ていることが多いです。精神の病としての一つとしての症状ということですね。
また、脳腫瘍が原因とする分析もあります。脳の側頭葉と頭頂葉の境界に脳腫瘍ができた患者が見るケースが多いそうです。この脳の領域は、ボディイメージを司ると考えられており、そこの機能が損なわれると、あたかも肉体とは別の「もう一人の自分」が存在するかのように錯覚することがあると言われています(「wikipedia〜ドッペルゲンガー」より)。
脳腫瘍が原因だとすると、ドッペルゲンガーを見た人はその後死んでしまうというのは分かる気がします。要はドッペルゲンガーを見たから死んでしまうのではなく、死んでしまう危険な病状がドッペルゲンガーを見せてしまうということですね。
これらの「ドッペルゲンガー=病気説」なら、分身を目にした人の死期が近いということを簡単に説明できます。
「ドッペルゲンガーを見たらまず脳外科へ行け」ということはお薦めできるかもしれません。
それでも残るドッペルゲンガーの謎〜エミリー・サジェの例
しかし、それが本人の脳が原因とされていても、第三者に目撃されている事例が多いのはどう解明できるのでしょうか。
ドッペルゲンガーは、本人からかなり離れた所(しかし、本人とは縁がある場所)で、第三者に目撃されているケースも非常に多いのです。
フランス人のエミリー・サジェの例を紹介します。
1845年、当時32歳のサジェは、ラトビアのリヴォニアにある名門校に教師として赴任しました。間もなく生徒たちが「サジェ先生が2人いるように見える」と言い出します。
教師たちは生徒の空想として取り合わなかったものの、10人以上の生徒がそう言い出したため、集団幻覚か、それとも本当にサジェが2人いるのかと驚くことになります。
生徒たちの証言によれば、
・サジェが黒板に字を書いていると、分身が現れ、黒板に書く仕草をしていた。
・ある生徒がサジェと並んで鏡の前に立つと、鏡にはサジェが2人映っており、生徒は恐怖のあまり卒倒した。
・食事中のサジェのそばで分身が食事の仕草をしている光景を目の当たりにした。
・生徒たちのいる教室にサジェがおり、すぐ窓の外の花壇にもサジェがいた。
この最後の証言では42人もの生徒が目撃しており、勇気のある生徒が、どちらが本物のサジェかと、室内のサジェに触れたところ、柔らかい布のようでまるで手ごたえがなかったそうです。このとき、花壇にいる本物と思われるサジェはぼんやりとした様子だったとのこと。
やがて室内のサジェが消え、花壇のサジェは普段通り動き始めたため、花壇のほうがサジェ本人だとわかったといます。
このような分身の事件は、1年以上にもわたって続き、生徒たちの噂話に困惑した学校の理事たちは、サジェを問いただしたが、サジェ自身には分身の自覚がなく、学校側同様に本人もこの現象に悩みました。
多くの生徒はこの分身の現象をむしろ面白がっていたものの、彼らの父兄は決してそうではなく、このような奇妙な教師のいない別の学校へ転校させる親が続出することになります。
サジェは教師としては優秀だったのですが、学校側はこの事態を軽視できず、やむなくサジェを解雇することに。
その後もサジェの赴任先では同じことが起き、20回近くも職場を転々とした挙句、とうとう赴任先がなくなったサジェは、義妹のもとへ身を寄せたのですが、そこでも分身は現れ、子供たちが「おばさんが2人いる」と面白がっていたといいます。
(Wikipedia〜Émilie Sagéeより)
分身が現れている間、本人はボーっとしている・・・ここになにか秘密が隠されているのいかもしれません。生霊の物質化現象ともいうのでしょうか。特異体質では済まされない超常現象の一つなのかもしれません。
また、多くの事例では、ドッペルゲンガーが現れた後、本人は間もなく死んでしまうことから、死期が近い人は、肉体から出たり入ったりしているという可能性もあるかもしれませんね。
生霊は死んでいる人間よりもはっきりと見えやすいという噂もありますので、それが目撃されているのかもしれません。
いずれにせよ、事例が多いのには驚かされます。
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