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現代怪談考〜現代三大怪談とは?中山市朗の「山の牧場」

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山の牧場があると思われる山の風景

 現代における怪談についてですが、今回は、放送作家、怪異蒐集家(かいいしゅうしゅうか)、オカルト研究家である中山市朗氏の”山の牧場”の話を。
 
 これもオカルト好きな人たちには有名な話です。1990年ぐらいに関西の深夜のラジオ番組で放送され、多いな話題を呼びました。その後、著作の「新耳袋 第四夜」に収録されており、その後も北野誠氏らが「お前ら行くな」などでレポートしたり、その後も続いている話です。

 概要

 1981年のこと。中山市朗氏が大学の卒業制作で映画を撮影するため、氏の実家の兵庫県の故郷の近くで村を俯瞰できる小高い丘を探していた時のこと。
 未舗装の細い道を偶然見つけ、登ってみようということになり、車1台がギリギリ通れる山道を車で登っていくと、無人の牧場らしき場所に出た。

 しかし、何か様子がおかしい。牛舎があるものの、牛を飼った形跡が一切無く、屋根の端の部分が半球型にくぼんでいる。

 実験室のような建物鉄の中にはビーカーや試験管などガラス器具などがあったが全て破損している。

山の牧場.jpg
『新耳袋』第四夜(角川文庫)より


 二階建ての建物があったが一階には大量の石灰の山が積み重ねられている。
そして、何故か二階に上がる階段がない。
 山の斜面を使って二階に侵入すると、和室には雛人形や博多人形が数体転がっている。そして部屋いっぱいの様々な神社の札、襖に白いペンキで殴り書きされていた白い文字、”たすけて”・・・。

 別の部屋の壁には見たこともない文字がビッシリと書かれている。

山の牧場02.jpg


 謎の文字で人体図が描かれているメモ。分厚い医学書。そして白いペンキで大きく書かれた”たすけて”の文字。ここで何が起こったのか・・・・。
言い知れぬ不気味さを感じ、中山氏たちは山を降りた。

 後日、中山氏は町役場に努めている友人に連絡を入れて例の牧場について調べてもらった。しかし、地元の役所に聞いても、そこには昔も今も「何もない」事になっている。
 ただ、あの場所では頻繁にUFOが目撃されていると役所の者が言っていたそうだ。

 これにまつわる話として、その後、この話を聞いて写真を撮りに行った後輩が、牧場に停まっていた謎の黒い二台の大型乗用車を目撃。その後、行方不明になった話や、山の上空で目撃された巨大なUFOや、地元に伝わる山の空洞説など、読むに従って恐ろしくなる不可解な話ばかりです。

 さて、これだけ騒がれると実際にその場所へ行ってみたくなるのが心情でしょう。何人もの方が実際に行ってブログにアップしたりしています。場所もほぼ特定されているようで。


兵庫県朝来市和田山町朝日〜赤い屋根の建物(GoogleMaps)


YouTubeなどでも語られています。興味のある方は是非、聞いてみてはいかがでしょうか。

 YouTube「不安奇異夜話」中山市朗出演「山の牧場」(8パート)

中山市朗氏自身が語る「山の牧場」のその後


北野誠が実際に取材したサイキックTV


 この「山の牧場」の話も最初は稲川淳二氏の「生き人形」同様、ラジオで語られたものでした。その後、噂が広がり、書籍として出版されると話題を呼び、実際にその場所を探す人たちが現れてきます。口から口へ。ネットの掲示板などを通じて広がる怪異譚。
 現代の怪談とは、こうして広がっていくのかもしれません。

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