南極大陸の謎を調べていくと、ナチス・ドイツがかならず出てきます。ヒトラーは早い段階から南極大陸に目をつけ、調査探検していたことで知られているのです。
◆ヒトラーが開拓した南極大陸ノイ・シュワーベンランド
当時南極大陸は無主地で、1930年代後半まで実際に探検したのは全大陸の15%に過ぎませんでした。
1938年、ヒトラーは意欲的に「南極探検隊」をくりだします。
最初のリッチャー探検隊は、60平方キロの範囲にわたって飛び回り、1万枚以上の航空写真を撮影しました。その結果、1931年にノルウェー探検隊が作成した最も権威のあるといわれた南極地図が間違いだらけであることが明らかにされました。
南極には4千メートル級のアルプスの山々が山脈として存在していることも判明するのですが、更に驚くべき事実として、内陸部には雪の降らない地帯が存在
し、火山活動のために凍ることがない「温水湖」の発見、そして、その周辺には緑があり、夏であれば防寒服なしでも生活できることがわかったのです。
このように、リッチャー探検隊の探検は大きな成果をあげ、その後もヒトラーは毎年のように探検隊を送り込み、調査を続けます。
そしてこの調査区域を「ドイツ領土」とみなし、「ノイ・シュワーベンランド」と命名します。この調査は当時は極秘であったため、戦後になるまでドイツ国民は知らされていなかったのですが、この詳細な地図は現存しています。
ところで、『ブリタニカ国際大百科辞典』によれば、前回の記事でのアメリカが派遣した「ハイジャンプ作戦」の大軍団は、南極大陸沿岸の6割を航空測量し、未知の大陸の姿を飛躍的に明らかにした、と記載されています。
しかし、これは言いかえれば、残りの4割は調査しなかった、もしくはできなかったということになります。そしてこの4割のなかに、ドイツの「ノイ・シュワーベンランド」が含まれているとのこと。
バード提督たちは、この『ノイ・シュワーベンラント』の領域には、全く足を踏み入れていないのです。いえ、その地域に入ることさえできなかったのではないかという推測も生まれているのです。
ナチス・ドイツと南極大陸。そして、終戦間もないのに5千名もの軍隊を引き連れて南極にいったバード少将たち。
彼らの意図は、科学的調査などではなかったのではといわれる所以です。
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