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20年後に仇をとった一発の弾丸

 20年後に仇をとった一発の弾丸

 アメリカテキサス州ハニーグローブ。この町に若い恋人同士がいた。
 だが1893年のある日、2人の愛は突然の破局を迎えた。ヘンリー・ジーグランドが彼女に飽きてしまい、別れ話を持ちだしたのだ。あまりのショックに彼女は自らの命を断ってしまった。

 彼女には一人の兄がいた。彼は彼女の自殺の原因を知ると、烈火のごとく怒り、そして銃を持ちだすと、ヘンリーの家へと向かった。

 「ヘンリー、妹の仇だ。覚悟しろ!」

 一発の銃声が響き渡った。そして次の瞬間、顔から血を吹き上げたヘンリーは地面の上にばったりと倒れた。
 この結果に、彼女の兄は満足した。そしてそのまま彼もまた妹の後をおって自殺してしまったのである。

 ところが!実はヘンリーは生きていた。弾丸は彼の頭をかすめただけで、後ろの木の幹にめり込んでいたのだ。ヘンリーはただ、ショックで気を失っていただけなのである。

 やがて20年の月日が過ぎ去った。今では中年になったヘンリーは、一本の木を切り倒そうとしていた。だがその木はかなりの巨木で、のこぎりを使って切るにはあまりにも大変だとヘンリーは思った。

「よし、ダイナマイトで一気に吹き飛ばしてやろう。」

 鼻につく火薬の臭いとすさまじい轟音とともにその木は見事に吹き飛んだ。そして、その傍らでは、ヘンリーが頭から血を流して倒れていた。彼の額には、一発の古い弾丸がめり込んでいたのだった。

 ダイナマイトの爆発と共に、木の幹にめり込んでいた弾丸が宙を飛び、ヘンリーの額に命中してしまったのである。

 この木は20年前にヘンリーが恋人の兄に撃たれたときの、あの弾丸が残っていた木だったのだ。そしてまさしくあの時の弾丸が、20年の歳月を経たあとで、見事に復讐を遂げたのである。

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「世にも不思議な偶然の一致」(ムーブックス)という書籍からです。

 偶然なのでしょうが、すごい話ですね。兄の復讐の念いなのでしょうか?この書籍にはこのような奇妙な偶然の一致の話が多数紹介されています。



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